60分でわかる! SDGs 超入門
こちらの本を読んだのでメモです。
そこで、普段はあまりこういう本は読まないのですが、ちょっと視野を広げるために読みました。前職含め、仮想通貨関連の事業に身を置いて1年半ほどになるのですが、やはりまだまだ業界自体が成熟していないこともあり、これからのビジネスの向かう方向性や、目の前でやっている仕事に関して時折疑問を感じることもあります。この界隈ではよくFinancial Inclusionを目指してとか言われますが、本当にそうなるにはまだまだ距離があると思っています。そのため、少なくとも自分が関わるビジネスやプロダクトに関しては、もう少し解像度を上げて行きたいなという思いがありました。
SDGs (Sustainable Development Goals)とは
国連加盟193カ国が達成を目指す2016年から2030年までの国際目標で、地球規模の問題を解決するために、「誰ひとり取り残さない」という共通理念のもと、17の目標と169のターゲットが設定されています。
17の目標
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなにそしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
数が多くて覚えきれないので、5つの「P」というものがあります。
- People(人間)貧しさを解決し、健康に(目標1−6)
- Prosperity(豊かさ)経済的に豊かで、安心して暮らせる世界に(目標7−11)
- Planet(地球)自然と共存して、地球の環境を守る(目標12−15)
- Peace(平和)争いのない平和を知ることから実現(目標16)
- Partnership(パートナーシップ)みんなが協力し合う(目標17)
ポイント
要はこれからの時代こういった観点を踏まえて事業を行えないと、消費者や取引先、投資家から選ばれなくなるリスクがあります。そのため、企業はこうった観点も踏まえて事業の方向性や取り組みを行っていく必要があるということです。逆に、必ずしも利益至上主義でなくとも、こういった観点を満たせば一定のステークホルダーを得られるようになるのかもしれません。
サプライチェーンにおいて環境破壊や人権侵害などをしている企業の商品は買われなくなったりしていきます。こういった環境や人権に十分に配慮された商品やサービスを選択して買い求めることを「エシカル(倫理的な)消費」と呼びます。
エシカル消費でできること
- 環境への配慮
- 社会への配慮
- 人への配慮
- 地域への配慮
- 生物多様性への配慮
また、昨今はESG投資と呼ばれるものが出てきており、以下のような非財務情報を元に投資先を選ぶような動きも出てきています。
これらの目標は必ずしも1社で網羅する必要はなく、むしろこういった観点で協業したりすることでお互いに良い関係を築きあえるようになるのが理想とのことです。
所感
やはり普段あまり気にすることがなかったので、自分の関わるビジネスや仕事が社会にどういったインパクトを与えるのか見つめ直す良い機会になりました。今やっている仕事はブロックチェーンの技術を使ったプロダクト作りなので、素直に考えると「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」なのかなと思いますが、それを取り巻く個別事業においてこういった観点を俯瞰しながらプロダクトの方向性を考え直せたのは非常によかったです。前職のデータ分析なんかでも、もちろんそれを生業にするからにはそれで収益を上げて自分の給料分は証明しないといけない訳ですが、かといってデータから得られた示唆を元に何をしても良い訳ではないので、どのようにデータ分析のプロセスをより良くしていくのか、どのようにプロダクトをより良くグロースさせていくのか、という意味でこの本は良い示唆を与えてくれました。事例も豊富に扱われているので、各業界の人が読んでも当てはまるところはあるかなと思います。