yukiyoshisato's blog

とりとめのないめも

仮想通貨の投資期間はリスクとリターンにどのような影響をもたらすのか

こちらの本を読みまして、ちょっと興味が沸いたのでやってみましたという話です。

本書の中では、p.433に「株式投資の投資期間と年平均リターンのちらばり方」というチャートが登場します。そこでは投資期間を長くすればするほど、リスクは軽減されるどころか、ほぼ確実にリターンが得られるような書きぶりになっています。そこで、仮想通貨ではどのようになるかというのを試してみました。ただ、仮想通貨ではそれほど長い歴史がないため、月間収益率で試算しています。通貨ペアはBTC/JPYです。

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ここでは、2018年以降を例にとってプロットしました。2018年は皆さんご存知の通り年初にバブルが弾けて大暴落から始まった期間です。ブームに乗り遅れて恐らくここで高値掴みして泣いた人は多いと思います(私のことです)が、大暴落から始まり今に至るまでで、投資期間別にどのような分布になっているかを示しています。

縦軸は月間収益率(%)で、横軸は投資期間(月)です。また、箱ひげ図の見方ですが、上端は最大値、下端は最小値、箱の上限は75%、下限は25%、横線は中央値です。

シミュレーションですが、2018−01−01より1日ずつずらしながらやっています。つまり、2018-01-01より1ヶ月、2018-01-02より1ヶ月、という形で収益率を計算して集計したものがチャート横軸の1のところに表示されているものです。また、投資期間2ヶ月以上については、それぞれの投資期間の収益率を1ヶ月の月間収益率に引き直した数値を集計しています。

投資期間1ヶ月では、最大60%以上値上がりすることもあれば、60%以上値下がりすることがあることを示しています。一方で投資期間が長くなればなるほど散らばりの度合いは少なくなっていることもわかります。

ここで興味深いのは、6ヶ月までは中央値が一貫してマイナスだったにもかかわらず、12ヶ月のところでは中央値が大きくプラスに転じています。最大値と最小値があると少しみづらいので、箱の部分だけにしてみます。

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これが意味していることは、仮に大暴落から仮想通貨投資を始めたとしても、現在に至るまでの間、1年保有することを日々続けていればプラスに転じていることを示しています(このような投資の仕方をする人はいないと思いますが)。ご存知の通り仮想通貨はボラティリティがあまりに大きいので、この先どうなるかということについてはなんとも言えませんが、ある程度の期間を保有すればリスク軽減効果だけでなく、リターンも狙えたかもしれないということを示しています。18ヶ月、24ヶ月でまた下降しているのは、2018年からですので、現在に至るまでの間では、やはりとてつもない高値から始まっているので、その影響を引きずっているものと思われます。12ヶ月という時間軸で見ると、大暴落のダメージをその後何回かあった上昇トレンドで取り戻せていることがわかります。

ちなみに、上記のシミュレーションとは投資スタイルは異なりますが、ご参考までに2018−01−01から毎日1,000円をドルコスト平均法に基づいて投資を続けた場合には、投資元本が839,000円に対して838,472円と大暴落の損失はほとんど取り戻せていることがわかります。つまり、あれだけの高値掴みから投資を始めて大暴落を経験していようが、長く投資し続けることは一定のリスク軽減効果があることがわかります。

ただし、将来を保証するものでは一切ありませんので、投資は自己責任でお願いします。

最後に、過去の年別の月間収益率も載せておきます。

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2017年の上昇トレンドはやはり凄まじいものがありますね…。2018年は全体的に下降ムードでしたが、2019年は上昇傾向にありました。2020年は半減期もありますが、どうなるか楽しみですね。